KITT-O
 
...まぁ、ぽちぽちと
 


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現代の閉塞感を吹き飛ばす(かも知れない)二冊

 現代の閉塞感を見事に吹き飛ばしてくれるヤングアダルト向けを二冊。

翼のある猫・表紙「翼のある猫(上)(下)」
イサベル・ホーフィング(著)
 少年、少女が活躍する優れたファンタジー。
 作者はオランダ人らしい。現代のアムステルダムに住む主人公達が特殊能力により異世界を旅する。と、書くと日本で最近多く見かけるラノベやアニメの筋みたいだけど、本書には何かか違う本格ファンタジーの雰囲気がある。
 筋はとてもわかりやすいけれど、小さくきれいにまとまってはいないというか、何もかも説明しようとしないところが大きくてリアルに感じられた。だって本当の旅って色々なことを見聞きするけど、そのすべてが解説されるワケじゃないでしょ。
 とても多くの言葉や事柄が出てきて、それらはたぶんこの本の外の知識やリアルな歴史に繋がってるんだろうなぁってことだけが僕にはわかった。ポニョで宮崎御大将がやりたかったのもこの感じだったのかも知れない、なんてフト思ったよ。

 いくつか興味のある言葉が出てきたけど、元がオランダ語でカタカナに音訳されているのでググっても引き当てられないwww あ、アニメや映画って、気になるシーンがあってもキーワードがわからないとググれないから難しいことができないのかもね



リトル・ブラザー・表紙「リトル・ブラザー」
コリイ・ドクトロウ (著)
 高校生がテロに巻き込まれ、憤りから国家機関に戦いを挑む。
 この本も現代を色濃く写している。問題なのは、技術が少し複雑になると正確にわかろうとしないくせに、わかった気になっているエラい人達の勘違いなんだよな。
 ここに書かれた技術的な話はほとんど正確だと思う。ITの簡単な入門書としても通るかも。
 「自由」を守ろうとする主人公たちの気高さ。正当派ハッカー魂ここにあり。


 どちらも、もしかしたら読んだ人の人生を変えうる力を持った本だと思う。両方とも強烈に楽しめた。沢山の人に読んでほしいな。



2011年9月6日(火) | トラックバック(0) | コメント(0) | 娯楽の超伝導 | 管理


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