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...まぁ、ぽちぽちと
 


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「旋舞の千年都市」

「旋舞の千年都市」イアン・マクドナルド著 東京創元社

 原題は THE DERVISH HOUSE。
 近未来、高度テクノロジーが入り始めているイスタンブールが舞台のSF。
 イスタンブールという都市とそこの一角に住む人々、文化と歴史が背景となっていて興味深い。

 実在の都市がリアルに描かれているという点で、この前読んだ「1Q84」を何となく思い出したけれど、こちらの方は桁違いに重厚複雑な世界。

 あちらはファンタジー仕立てということもあるのだろうけど、登場人物たちが浮世離れしていたり、途中からあっさりフェードアウトしてしまったりして、どこに肩入れして読んだら良いのか困った。
 こちらの話は6人の登場人物にそれぞれ作者の愛が感じられて心地よかった。

 「1Q84」の方で圧巻だったのは月の描写。ニュートン先生が何と言おうとも有無を言わせず迫ってくる存在感が印象に残る。
 反面こちらは面白いことに、地上では旗の三日月や星が溢れかえるほど出て来るのに対して、天体の月については描写がない。
 近未来のイスタンブールの人々は忙しくて、月を見上げる余裕はなかったようだ。




2016年9月19日(月) | トラックバック(0) | コメント(1) | 娯楽の超伝導 | 管理


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